「秋雨」
秋雨
色づいた葉の中で一人 うずくまっていた
枯れ始めた花のように 下を向いていた
夕暮れを待ち侘びて一人 空を見ていた
涼しい風 吹き散らしていた 紅葉の錦
丘から見降ろす 街並みは綺麗で
涙が出そうになるんだよ
夏はもう死んだ
秋晴れた空に言葉一つ投げ捨てた
「僕の夏を返してくれ」と
息吹き返すまで またいつか
それまでさようならなんて
嫌だよ
雨落ちた街の中で一人 傘を差していた
空が泣いて 僕も泣いた
拭うものは無かった
カメラ越しに見る 夏色は思い出
心が弾けそうになるよ
夏は盲信だ
秋冷めた空に言葉一つ投げ捨てた
「僕の夏はただ一つだ」と
雨降り終わるまで またいつか
それまで
夏消えた跡に君が一人目を閉じた
僕を置いていかないでよ
息吹き返すことなんて無い
君だけ ただ一つの夏
嫌だよ
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